カゼトゲタナゴの単生類

前回まだやめとこうといったのですが、PDFは8月28日までしかフリーじゃないよ、とのことなので、もう紹介しておきます。
(オープンアクセスは高額すぎてあきらめました。。。)
PDF:http://authors.elsevier.com/a/1TLif4wbiQdPb4

昨年春に佐賀で採集したカゼトゲタナゴに変わったユビガタムシ属を採集しました。
ユビガタムシ属は900種を超える大きな属ですが、今回記載した種は大きなV字型の背側支持棒を持っており、この形質を持つ種類は過去に2種しか知られていませんでした。
しかしながら、既知種とは交接器の形状から容易に区別されたので、新種として記載しました。
ここまではよくある話ですが、本種は他のタナゴ類からまったく見出されません。
宿主であるカゼトゲタナゴは現状絶滅が危惧され、九州の一部にしか生息していないことを考えると、この宿主特異的な単生類は宿主以上に絶滅に瀕している可能性が考えられます。
現状の日本では寄生虫を生ずつとして捉え、生態を把握し、時には保全する、という考えまで及んでいません。
しかしながら、少しずつでも情報を蓄積し発信していければと思います。